会員の紹介  ※所属・肩書きは掲載当時のものです

2019年4月掲載

筋肉も研究も裏切らない!人生常に超回復!



    

北海道大学
北極域研究センター
助教

安成 哲平


Q. 学部・大学院での専門

気象、雪氷、大気エアロゾル / 博士(環境科学・北海道大学)


Q. 過去の研究履歴(略歴など)

総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員:ダスト粒子分析装置の立ち上げとアイスコアのダスト分析

NASA Goddard Space Flight Center Visiting Research Associate (GEST/UMBC所属) & Staff Scientist (Scientist I:GESTAR/USRA所属):ヒマラヤ氷河域へのブラックカーボン沈着と積雪融解への影響評価の研究及び、NASA GEOS-5(全球モデル)に太陽光吸収性エアロゾルによる積雪汚染モデル(Goddard SnoW Impurity Module: GOSIWIM)を開発・導入及びGEOS-5/GOSWIMを使った全球数値実験による積雪汚染の気候影響評価の研究

北海道大学 大学院工学研究院(北極域研究センター兼務) 助教:越境大気汚染の影響評価のための観測的研究(北大を越境大気汚染観測のスーパーサイトにすることを目指して NASA AERONETの設置やNIESライダーの再移設など)及び森林火災とその火災による大気汚染の影響評価と予測に関する研究


Q. 現在の専門分野(仕事の内容)

・森林火災とそれに伴う大気汚染の把握及びこれらの環境・気候的発生要因の解明
・機械学習を使った森林火災とその大気汚染発生予測の研究
・寒冷地(北極圏など)における大気エアロゾルやPM2.5(森林火災など)の観測的研究
・北極域の大気エアロゾルの動態変動解析
・NASA GEOS-5やMIROCの陸面モデル(主に積雪モデル関連)の開発及びこれらのGCMを使った全球数値シミュレーション


Q. この分野に入ったきっかけ

高校生の時に,北大工学部を訪問する機会があり、そこで初めて南極のアイスコアを見せていただき、その中に過去数十万年前の気候・環境の情報が保存されてことを教えてもらって感銘を受け、研究に興味を持った(それまでは建築家になろうと思っていた)。


Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ

以前は、ピュアに地球環境や大気・雪氷などに関する現象自体の「?」を追求することに面白さを感じていましたが、地球環境研究に長年関わってきたことや様々な研究機関(部局も含め)を転々として、多様な研究テーマに触れていくうちに、地球環境の自然現象やその変化と人・社会との繋がりにとても面白さを感じるようになりました。このような研究は、自分のやったことが同じ地球に住んでいる将来の世代へつながるため、研究を行うモチベーションにもなります。今は、北極圏という温暖化にも敏感な地域、そしてそこに住む人々へも直結する北極域の地球環境学研究に魅力を感じています。


Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)

やはり、成果が全然しばらく出なかったり、一年くらいモデルのバグ取りやっていたりと変化がない日々が辛いですね。これを乗り切るには、息抜きが本当に大事です。大学院の時は、作曲や歌入れなど曲作りがいい気分転換になっていました。ここ2年ほどは、朝仕事前に1時間ほど、筋トレをしているのですが、これがとても良い気分転換になっています。嫌なこともダンベルやバーベルにぶつけるとすべて発散できます。筋肉の肥大化も見込めます。また、冬は週末家族でスキーに行くのも良い気分転換になっています。ついでに、冬の雪かきも(笑)。


Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味

今一番の趣味と言えば、間違いなく筋トレですね。常に、どこかが筋肉痛で超回復していないと不安になります(笑)。筋トレは、始めた頃は研究よりも成果が見えるのが速かったのも良かったです(でも、ある程度やり込むと、だんだんそこからの伸びが難しくなってきますし、停滞期もあります)。常に、自分の限界と向き合えるところもいいですね。当面は、BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)で合計400 kgを超えられることを目標にしたいです。冬はスキーが楽しみです。スピード出してキレキレのカービングターンをするとスッキリします。


Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス

基本的に土日祝日に仕事はしないポリシー。午後6時半くらいまでには職場を出るように心がける。普段、平日の日中は妻に家・子供達のことをお願いしてしまっていますが、帰ってからできることをできる範囲でしたりしています。冬の雪かきも大事な仕事です(笑)。有酸素運動にもなります。


Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ

研究者は、就職がないとか、キャリアパスが見えないとかよく言われますが、今の時代どの職業も将来のことなどわかりません。むしろ、研究をしていないといけない場所、出会えない人、経験できないことなど山ほど良いことも多くあります。研究の向き不向きなども、正直、大学院の始め(修士課程)くらいでわかるとも思えません。ですから、もし研究や研究業界に興味があり、ワクワクするようなことが少しでもあるようでしたら、他の様々な妨げ要因を先に考えて諦めるのでなく、研究者の道も是非目指して欲しいなと思います。将来的に、研究職を続けなくても、博士号を生かした仕事は世界中に多くあります(日本がまだまだ生かせる仕事が少ないのが大問題と思います)。


Q. 民間経験・海外経験

私は米国、東海岸のメリーランド州にあるNASA Goddard Space Flight Centerで6年以上働いていました。日本に帰る機会がなければ、そのまま永住権を申請していたと思います(実際、永住権申請の準備中に帰国しました)。アメリカで得た一番の財産は、人です。NASAで出会えた素晴らしい研究者・エンジニア・事務員などの繋がりが何より感謝すべきものだと思っております。そのおかげで、今もNASAと共同研究を継続して活発にできますし、北大にNASAの観測サイトを設置したり(AERONET)、色々なことがNASA’s Childrenになったことで今の研究生活に繋がっています。また、海外に長期間住んだことで一番大きかった心境の変化は、「別に日本も働ける可能性のある場所のone of them」としか思わないようになれたことです。なので、日本に職がなければ外に出ればいくらでも合った仕事があると思える気持ちが持てるようになったことではないでしょうか。実際、米国滞在時に、ノルウェーの研究所のパーマネント研究員に応募して、面接まで行ったりもしました(最後は他の方になりましたが)。多分、上記のような気持ちが芽生えなければ日本以外でパーマネント職を応募しようとは思わなかったことと思います。日本から出たことがない方は、日本で仕事を探すしかないと思うかもしれませんが、出てこのような気持ちになれたら、きっと将来の不安も大分緩和されますし、自分のキャリアパスの方向性も広がると思います。しかし、こういった気持ちになるには、ある程度時間がかかると思います。そのためには、最低2年は海外で仕事をすることを勧めます。これより短いと、海外経験は,私の理解ではあまり十分には活かされないと思います(英語なども含めて)。数ヶ月とか半年程度だと、ただの長期旅行くらいの経験にしかなりません。


Q. もっと知りたい

北海道大学・北極域研究センター:https://www.arc.hokudai.ac.jp/
北極域研究共同推進拠点(J-ARC Net):http://j-arcnet.arc.hokudai.ac.jp/

ページのトップへ戻る