会員の紹介

2017年4月掲載

マルチスケールの現象の理解が徐々に深まっていくことはとてもエキサイティングです。



    

東京大学
大気海洋研究所
教授

高薮 縁


Q. 学部・大学院での専門

気象学/博士(理学)(東京大学)


Q. 過去の研究履歴(略歴など)

国立環境研究所(1987-2000)
NASA GSFC 訪問研究者、JAMSTEC兼業、JAXA招聘研究員など


Q. 現在の専門分野(仕事の内容)

熱帯気象や極端降水、また、雨と雲の特性を決める仕組みと気候における役割に注目しています。もともと雨や雲が主役となる熱帯気象に興味を持ち、積雲対流から台風やENSOまでマルチスケールで繋がっている熱帯気象の仕組みを理解したいと、気象観測データや衛星データ等々を利用した解析研究をしてきました。このところ10年近くは、JAXAやNASAと協力し、TRMMやGPM(全球降水観測)などの衛星観測プロダクトを高品質化して研究者コミュニティーに提供するためのお世話係にも励んでいます。気候変動の降水などへの具体的な影響をより精確に捉えることに、研究者としての社会的責任を感じています。


Q. この分野に入ったきっかけ

自然のしくみについて小さい頃から興味がありました。教養の講義で南極の氷床コアから大気の歴史がわかるという話を聞いて地球物理に興味をもちました。松野先生の発見された赤道波がすごいものらしいという話や、台風の発生はまだわかっていないらしいという話に興味があり、気象学の分野への進学を希望しました。


Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ

新しい観測や大量のデータから、どんな新しいことを掘り出せるかを考えることはとても面白いです。世界中で私しか知らないかもしれないことを見つけた時のぞくぞく感で、数年は頑張れます。大学の研究室では新旧の論文を一緒に勉強して知識のバックグラウンドを共有します。そして各々が興味をもった現象のリンクをひとつひとつ発見していくことで、マルチスケールの現象の理解が徐々に深まっていくことはとてもエキサイティングです。また、世界のあちこちの人たちと研究仲間になれるのは、なかなか素敵なことです。


Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)

仕事が無駄に遅くなって子供の話を十分聞いてやっていなかったと気づいた時は辛かったです。この頃は自分でデータをさわる時間がなくなったのがちょっと辛いです。最近は辛いときはお酒(またはショウガはちみつのお湯割)を飲み、現役復帰を誓って寝ます☺。選択を間違ったかなと思った時は、別の選択をした自分はアナザーワールドで生きているのだと思うと気楽になれます。若い頃は研究が行き詰まった日には、とにかく何か一枚新しい絵を描いてみるなどしていました。仲間とおしゃべりするのはよいと思います。


Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味

ダメ親ながら子育てを楽しみとしていましたが、そろそろ卒業です。あとは、猫と遊ぶ。音楽を聴く。本を読む。庭の草をむしる。


Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス

家事は分担しています。締め切りをいつも抱えているので、あまりバランスはとれていません☺。 子供ともっと遊べばよかったです。節目節目の行事を大切にすることをお勧めします。


Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ

どんな仕事をしても辛いことや大変なことはあるので、その中にも自分が夢中になれることや喜びを見つけられることがあったら、正しい選択なのだと思います。研究をしてみたいと思ったら、研究を楽しむこと、研究を仕事とすること、研究で大きな夢を描くこと、などについて、いろいろな人の意見を聞くとよいでしょう。


Q. 民間経験・海外経験

ほんの2年ですが凸版印刷に雇っていただきました。企業は大学や研究機関に比べて管理体制がしっかりしています。研究者の場合は若い頃から自分自身で選択していく局面が多いので、そこで悩むこともより多いかもしれません。反省を踏まえて言うと、人に相談することも重要と思います。


Q. もっと知りたい

http://ccsr.aori.u-tokyo.ac.jp/~takayabu/index-j.html


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