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2015年1月掲載

気象と社会が広く繋がっていることを日々感じる



    

一般財団法人 日本気象協会
環境・エネルギー事業部
技師

前田 芳恵


Q. 学部・大学院での専門

物理 / 学士(教養)(国際基督教大学)
気象 / 修士(地球環境科学)(北海道大学)
気象 / Ph.D. (フロリダ州立大学)


Q. 過去の研究履歴(略歴など)

修士修了後、(財)日本気象協会に就職し、気象情報開発・環境アセスメント・大気シミュレーションなどを担当(5年半程度)。留学を経て、(財)気象業務支援センター、(独)国立環境研究所勤務の後、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構で特任研究員として大学間の国際連携プロジェクト事務局・気候変動研究のコミュニケーションなどを担当(4年程度)。今は、また新卒の時の職場に戻りました。


Q. 現在の専門分野(仕事の内容)

気象や環境に関するコンサルティングが主な仕事です。風力発電や太陽光発電といった再生可能エネルギーに関する業務が主ですが、気候変動関連の調査業務なども担当しています。かつては、環境アセスメント、運用向け気象情報の開発、Webや携帯向けのコンテンツ作成などを担当していたこともあります。


Q. この分野に入ったきっかけ

なんとなく面白そうだったからです。当面の生活の見通しが立っていれば、ほとんどのこと(就職も進学も転職も)は、何となく面白そうという理由で決めている気がします。


Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ

自分が得た知識を顧客の事業の発展や問題の解決に役立てられる点は魅力です。また、様々な業界をお手伝いすることになるので、気象と社会が広く繋がっていることを日々感じられます。


Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ

どんな仕事でも外から想像する姿は、良くも悪くも実際と違うことが多いので、研究者でも民間でも行政でも、経験者に話を聞いてみるとよいと思います。身近な大学の先生達の仕事でも、今はごく一部しか見えてないかもしれません(私は大学に勤めてそう思いました)。できれば、年の近い人だけでなく、社会に出てから10年くらいは経っている人にも聞くのがお勧めです。


Q. 民間経験・海外経験

成果を論文化するかどうかという点は、民間と大学・研究機関との大きな違いかもしれません。 民間は、統計的な有意性がなくても意思決定しなくてはいけないことも多く、秘密保持契約などもあるため、公開される論文に向く仕事はそれほど多くはありません。ただ、最適な選択ができるように、新しい知見のインプットや科学的に適切なアウトプットをする力は常に求められています。
最初の職場に5年半ほど勤務した後、まとまった勉強の時間を取りたくなり、アメリカの大学院に進みました。卒業後はユーザーに近い仕事がしたかったので、農業と気候情報を実践的に扱う研究室に進学しました。リサーチアシスタントとして学費・生活費の心配がなかったことも、進学の決め手の一つでした。 仕事もやっと覚えたところでしたし、夫は日本で仕事をしていたので、いろいろ反対されるのではないかと思いましたが、結局、家族・親戚・友人・同僚その他誰からも止められず、拍子抜けしました。「私って、いらない存在?」とひがみそうになるくらい・・・。
フロリダでは様々な国籍の友人達に出会い、世界を身近に感じるようになりました。特に、途上国出身の友人達には、自分の力で未来を切り開くたくましさを感じることが多く、今でも彼らにパワーをもらっている気がします。 日本との違いで印象に残っていることを挙げるとすると、研究職以外でも博士号取得者をよく見かけることと、仕事相手は大学教授でも企業や行政の人でもファーストネームで呼び合うこと、などでしょうか。


Q. 大学・研究機関経験

博士課程進学当初から卒業後は民間で働くつもりだったのですが、なかなか思うような仕事が見つからず、偶然募集を見かけた東京大学の海外連携業務担当の研究員に採用していただきました。 ここでは、海外・民間・行政との連携といった現在の大学の多様性を実感でき、さらに気候変動のプロジェクトのメンバーとして最新の研究にも触れられ、得難い経験ができました。 以前の職場に戻った今でも、自分自身のバランス感覚を磨く上で、大学での業務経験は貴重な財産となっています。

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