会員の紹介

2016年4月掲載

自分が今後の長い人生をともに過ごす相手として仕事を選択すべき



    

富山県環境科学センター・主任研究員
富山県立大学、富山大学・非常勤講師

初鹿 宏壮


Q. 学部・大学院での専門

気象(気候変動)/博士(地球環境科学、北海道大学)


Q. 過去の研究履歴(略歴など)

電力中央研究所 特別契約研究員: JRA25長期再解析データの作成


Q. 現在の専門分野(仕事の内容)

大気課の所属なので、工場や事業所に立ち入り、監視指導を行っています。また、環境調査として、県内の有害大気汚染物質調査、黄砂・酸性雨等の測定を行っています。
研究としては、県内の温暖化に関する調査と、PM2.5の発生源解析を手掛けています。


Q. この分野に入ったきっかけ

10代のころにオゾンホールや気候変化の問題に関心を持ち、地球環境問題に関することを研究したいと思いました。 大学院では、気候モデリングの研究室に所属し、黄砂や森林火災の広域影響予測、成層圏におけるオゾン変動や温暖化を解明するカギとなる水蒸気輸送など多岐にわたる分野を研究しました。 前職では、気象庁との協力により、日本初の全球大気の再解析計算を実施し、台風の再現性が高いデータを提供できました。 現在の研究機関には、気候変化についての研究者として県に貢献してほしいと誘われたことがきっかけで所属することになりました。


Q. 現在の研究(仕事)の魅力やおもしろさ

県の試験研究機関は、研究成果が条例や計画の制定などに活用されることもあり、また、講演会などの機会を得て、県民にいろいろな行動を促すための情報を提供します。 県民の役所への信頼が揺るがないために提供時には細心の注意が必要であるとともに、科学的に間違いにならない程度に表現を噛み砕くことが必要ですが、自分の作成した地域における温暖化に関する資料は、学校での環境教育や、県内の環境イベントに広く活用されており、役に立つ研究を行っていることが実感できます。


Q. これまで研究(仕事)をしていて辛かったこと(解決策なども)

お役所なので上司が数年ごとに代わります(1年で代わるときもあります)が、そのたびに、研究の意義、解析等の手法の妥当性、共同研究を実施していたら相手先の選択の妥当性などを一から問われます。 役所は1つのピラミッド型の階層組織であり、上司の了解がなければ何もできませんので、説明のために長ければ数か月の時間と労力を費やすことになります。 各上司の知識レベルや関心に合わせて説明することができるかどうかがカギとなります(うまく説明できないことも多いです)。


Q. 研究(仕事)以外の楽しみや趣味

・週末に子供たちとスポーツをすること。夏休みなどにキャンプをすること。
・職場の近所に住んでいるので、平日の昼ご飯を妻と2人でとること。


Q. 仕事とプライベート(家庭など)のバランス

子供の習い事の送り迎え、簡単な家事などはできる範囲で分担しています。 平日の昼ごはんは自分が先に戻ることが多いので、大抵は作って待っています。 最近は、子供たちにも少しずつ手伝ってもらえるようになってきました。
週末の日中はなるべく仕事を持ち込まず、職場にも短時間だけ出向くことにしています。 職場は子育て世代にやさしい環境なので、子供が病気になったときなどに助かります。


Q. 進路選択を控えた大学生、大学院生へのメッセージ

自分のやりたいことをやって、その対価として給料をもらえるのは幸せだと思います。自分が今後の長い人生をともに過ごす相手として仕事を選択すべきと思います。


Q. 今後期待すること

大学等で活躍する同僚や後輩たちを見ると、自分の責任で自由に研究できるように感じられ、正直うらやましいことも多いですが、地方自治体の研究機関としては、PM2.5の実態解明など、解決すべき課題が山積しています。 現在は、化学分析の出身者が大半を占めていますが、気象学をバックボーンにする研究者が活躍する自治体が増えてくることで、これまでと異なった視点から課題を解決できるようになると期待しています。

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